【USER VOICE】石田 瞭 先生(東京歯科大学摂食嚥下リハビリテーション研究室 医師)

バックアップが手軽で扱いやすく症例検討やプレゼンにも使いやすい。

2016年12月14日

水野先生石田  瞭 先生(東京歯科大学摂食嚥下リハビリテーション研究室 歯科医師)

プロフィール:
1996年 岡山大学歯学部卒業
1998年 Johns Hopkins University (Maryland, USA)留学
2000年 昭和大学大学院歯学研究科口腔衛生学 修了
2000年 昭和大学歯学部口腔衛生学 助手
2003年 岡山大学医学部・歯学部附属病院 特殊歯科総合治療部 講師
2008年 東京歯科大学 摂食・嚥下リハビリテーション・地域歯科診療支援科 講師
2011年 同 准教授
2015年 東京歯科大学 口腔健康科学講座 摂食嚥下リハビリテーション研究室 教授

1.ご施設の特徴を教えてください。

現在の診療場所は水道橋病院と千葉病院の2か所で、どちらも8割方訪問診療です。アポイント(診療予約)を必要とする、いわゆる治療計画のあるパターンで行っています。1軒あたりの滞在時間が1時間弱になりますので、1日5~6軒を訪問すれば丸一日掛かってしまいます。
 
水道橋病院は訪問診療を始めてまだ3年目ですので、全ての診療枠が埋まるほどではありません。逆に、千葉病院は8年目になり、引き合いも多く、予約待ち1ヵ月という状況です。嚥下主訴で1ヶ月待たせると肺炎になってしまうケースもあるので、あまり良い状況とは言えないのですが、現状はそのくらいまでになっています。
 

2.なぜ摂食嚥下の分野に進まれたのですか?

私は平成8年に大学を卒業したのですが、当時はまだ摂食嚥下リハビリテーションの黎明期で、卒業後の受入先が全国にやっと1、2個所できるようになってきた時期でした。その中で昭和大学が唯一と言っていいくらいだったため、そちらに進むことにしました。当時、小児歯科医をしている母が昭和大学の研究生として摂食嚥下を学んでおり、母から紹介されたのもきっかけとなりました。
 
昭和大学では、小児の食べる機能の発達という観点から勉強させてもらっておりました。当初は小児が専門でしたが、時代は少子高齢化で、そのニーズに応えるべく、特別養護老人ホームでのサポートも行っていました。現在の患者層としては、高齢者の方が多いです。
 
昭和大学で摂食嚥下の基本を学ばせてもらった後は、母校の岡山大学で摂食嚥下外来立ち上げのお話を頂き、オープニングスタッフとして5年程勤務しました。もうちょっと安定するまで続けようと思っておりましたが、東京歯科大学で摂食嚥下の部門を作るということでお声掛けを頂きました。
 

3.患者さんたちと接するときに心がけていることはありますか?

なるべく怖い顔をしない等、緊張させないで、リラックスした環境が作れるように心掛けています。
例えば、いきなり画像検査をするとなるとかなり緊張されますから、初診時にVE(嚥下内視鏡)を使うのは極力避けるようにしています。喉の検査は、普段食べる時の姿勢などの日常が見えにくくなるのが欠点で、外見上の評価から食べられるかどうか摂食のアプローチを1週間ごとに繰り返しながら診ていくほうが自然だと思っています。
 
嚥下の評価というのは、「見る」、「聞く」、「感じる」ということが大切です。「見る」というのは、その方の食べる場面。「聞く」というのは、飲み込みの嚥下音と呼吸音。「感じる」というのは、触れるということで、例えば、嚥下時の喉の上がり具合を見ることで、飲み込み時の異常性がある程度わかります。
 
摂食嚥下障害等で食べていない人が食べられるようになるかどうかを診る最初のアプローチでは、とろみ水やゼリー、ヨーグルト等を使いますが、外見上の評価と既定のスクリーン検査を併用し、総合判断していきます。その方の概ねの治療方針が立つ中では、さらに食べられるか、どれくらいの食形態が食べられるかというような課題に対して、あるいは不顕性誤嚥のリスクが高い場合に、VEを行っていきます。その頃には患者との信頼関係も確立していますので、画像検査には入りやすくなっています。
 
摂食嚥下障害の主訴というのは「食べたい」とか「むせる」とかですが、そうした場合には食べる上で何らかの課題が生じています。私たちも、患者の視点を理解し、どこまでその課題を考えていってあげられるかという目で診ていく過程の中で、必要であればVEを行うということです。
 

4.エアスコープ(無線)とスコープキューブ(有線)の両方を使って頂いておりますが、スコープキューブのメリット・デメリットについて教えてください。

当院ではワイヤレスのエアスコープを使っていましたので、スコープキューブは有線だからどうなのかと気になっていました。スタッフの多い大学病院内ではワイヤレスでマルチモニタのエアスコープが非常に良いのですが、有線といっても線1本なので、訪問診療で使用していても機動性に特に問題は感じていません。
 
スコープキューブが商品化される前、当時私が訪問していた施設にリブトの社長が何度も来て、繰り返し評価を行ったのを覚えています。どのくらいの照度にしたらよいか、一緒に試行錯誤しました。多少ハレーションすることもありますが、喉頭部の中までしっかり見渡すことができます。
 
エアスコープがiPad限定対応なのに対し、スコープキューブはモニターを選べる。よってインチ数の大きいモニタも選べるので、私はSurface Pro3で使い出しました。Surface Pro3は画面が大きいので、それだけ検査時の見え方、判断のしやすさというのは違ってきます。
 
デバイス(モニター)の選択肢の広さという魅力に加えて、スコープキューブの一番の利点は、バックアップの手軽さだと思います。ファイルとしてそのままパソコンに保存されるため、取り扱いがすごく楽です。例えば、症例検討とかプレゼンなどにも使いやすいです。
 
あとは、パソコンから電源を取れるのがいいですね。エアスコープの電池の充電は何の苦も無くやっていたのですが、スコープキューブはパソコン側の充電さえあればいいということで、充電し忘れたまま訪問するというリスクを1つ減らせます。
 

5.先生の使命についてお聞かせください。

私は大学で仕事しているので学生優先で考えており、いかに将来の歯医者に摂食嚥下リハビリテーションを歯科の一分野としてやっていってもらうか、それを至上命題にしています。教育カリキュラム上まだそんなにたくさん入らないのですが、そのエッセンスは分かってもらいたいですし、それが分かる将来の歯医者を育てることが私の一番の仕事だと思っています。
 

6.最後に当社へ期待することはありますか?

ユーザー本位でのアイディアを具現化されている会社ですよね。今後も現場のニーズに合わせた製品開発を期待しています。

※本インタビューはSC2015をご使用の際のインタビューです。